猫による被害は、マンションやアパート住宅でも深刻です。
糞尿被害(マーキング)はもちろん、洗濯物を落としたり、ケンカや発情期で夜通し鳴いたり…これではせっかくの綺麗なベランダも台無しです。
そこで今回は、集合住宅のベランダに有効な猫よけ対策や、アパートならではの注意したいポイントなどをご紹介しようと思います。
ベランダの猫よけ対策で注意する点は?
アパートやマンションなどの集合住宅は、普通の戸建てより人間関係に注意しなくてはいけません。
猫よけ対策のために何か設置する場合、隣地や境界線に対する注意が必要です。共有部分に勝手に設置すると、管理会社からクレームを受けることも。
また、ベランダに侵入する猫が全て野良猫とは限りません。住民の飼い猫である場合もあるので、あまり強硬な対策を取るとトラブルに発展するケースもあるでしょう。
順番に解説しますので、心配な方は対策前に目を通しておくことをおすすめします。
境界線には要注意
ベランダやバルコニーは、入居者の専用使用権が認められた共用部分です。
そのためトゲマットなどを設置する場合は、隣の入居者の部分を侵害しないように注意しましょう。ご自身が対策の必要性を感じていても、隣人はそうでないかもしれません。
いずれにせよ無断で行うとトラブルの火種となるので、注意が必要です。
極端な対策はトラブルのもと
自分の専用使用部分なら何をしても良いのか…と言うと、そうでもありません。
例えば、ご自身のお庭に非常に高いパーティションを設置した結果、隣の敷地に日光が当たらなくなると、隣家は「日照が遮られた」と不満を感じることでしょう。
夜間に大きな音を鳴らしたり、眩しいフラッシュを照射するのも問題です。
どんな対策も、周囲の理解を得られなければ逆効果。猫被害で迷惑している身なのに、いつの間にか悪者になってしまうかもしれません。
近隣の飼い猫には要注意
野良猫だから良いというワケではありませんが、近隣の飼い猫には特に注意が必要です。
猫は法的には動産(モノ)であり、飼い主の所有物です。いくら迷惑だからと言って、進んで害を与えてしまうと器物損壊に問われます。
また「いかにも迷惑です」とばかりに仕切りやフェンスを設置すると、それだけで関係が悪化してしまうことも。相手との関係にもよりますが、事前に了解を得るのも1つの手でしょう。
管理会社に連絡する
アパートやマンションの管理会社は、住民が平穏に暮らせるように配慮する責任を負っています。被害が隣家の飼い猫などによる場合、相談することで解決の糸口が得られるかもしれません。
ただしすべての管理会社が、期待通りに動くとは言えません。中には実質放置状態だったり、飼い主に通報者の名を明かして余計なトラブルを招く業者も。普段から管理会社の対応を伺い、信頼できるかを判断しましょう。
ベランダの猫よけ対策「トゲマット」
まずは定番猫よけグッズ「トゲマット」です。
トゲマットは一定の猫よけ効果を持つものの、設置した範囲しかガードできません。そのため戸建ての敷地など、広範囲をカバーすると多額の費用がかかる対策です。
しかしマンションやアパートのベランダは、戸建て住宅ほど広くはありません。また大抵の場合は隣地と仕切りで区切られているので、トゲマットとの相性は抜群です。地味な対策ですが、思った以上に効果はあります。警戒心の強い猫なら二度と来ないようになるでしょう。
ただし猫は身体能力が高いので、それなりに広く設置しないといけません。手狭になってしまう上に、境界線をはみ出すと隣地とトラブルになることも。有効な対策ではありますが、使用の際は周囲に注意が必要です。
ベランダの猫よけ対策「パーテイション」
鳥よけネットや園芸用パーテイションで区切ってしまう対策です。設置方法にもよりますが、徹底的にやれば猫の侵入を100%ブロック可能!効果だけならほかのどんな方法よりも有効です。
ただしパーティションの設置は簡単ではありません。それこそ網の目のように張り巡らせる必要があるため、不慣れな方は大変かも。
またベランダ全体を覆うため、外観が気になる方には向きません。台風などの影響で、落下や破損のリスクもあります。大がかりな対策なので、十分な計画性をもって設置することをおすすめします。
ベランダの猫よけ対策「超音波グッズ」
超音波グッズは、お手軽かつ効果的な対策です。
本体サイズは手のひらに乗るほど小さいので、トゲマットやパーテイションのように設置場所や景観に悩まされることがありません。
またセンサーと音波を組み合わせた構造上、物理的なアプローチを一切取らないところもメリットでしょうか。近隣とのトラブル回避にも役立ちます。
超音波グッズが発する音波は、人間にはほとんど聞き取ることができません。しかし、猫にはよく聞こえるため、自然と猫が近寄らなくなります。
実際に使ってみると、「あれ…最近野良猫が来なくなったなぁ」といった具合でしょうか。野良猫はもちろん、トラブルになりやすい近隣住民の飼い猫対策にもピッタリです。
まとめ
ファミリー向けのアパートやマンションは、人間関係が緊密です。家族が同じ職場・学校などのケースもあり、近隣トラブルは可能な限り避けたいところ。猫よけ対策のためとはいえ、人間関係を無視するのは得策ではありません。
ただし、すべてのケースで話し合いが適しているとも言えません。話し合いが難しい場合は管理会社に相談したり、超音波グッズなど、他者へ影響と効果の高さを両立できる対策をおすすめします。