家の庭や愛車のまわりに集まってくる猫、追い払えなくて困っていませんか?野良猫は一度でも自分の縄張りと決めると、簡単に変えようとはしません。縄張りとして定着される前に追い払う工夫が必要です。
ですが、ちまたに知られているコーヒー豆の残りかすを散りばめたり、水入りペットボトルを置いたりする対策では効果を実感できないのが実際のところ。野良猫を今すぐ追い出すための具体的な方法や失敗しやすい対策を紹介するので、今日から試してみてくださいね。
まずは猫の特性を知ろう!
猫よけ対策には、数え切れないほどの種類があります。
においがするシートを置くだけの簡易なものから、センサーで反応するスプリンクラーを設置する大がかりなものまで。それだけたくさんの人が野良猫被害に困っているということです。
ですが、5万円以上する高額で高機能な対策グッズを用意しなくても、野良猫を追い払うことはできます。重要なポイントは猫の特性を知り、弱点を突くということです。
たとえば犬の「嗅覚」はとても優れているため、警察犬として事件の捜査で活躍しています。しかし、犬の「視覚」は人間ほど優れておらず、色を識別する力は高くありません。実際、盲導犬として活躍する犬であっても、横断歩道の信号の色を判断することはできず、人間が周囲の音を聞き分けて横断します。
猫の場合も犬と同様に優れている能力とそうでない能力があります。猫の特性を生かした対策をして、野良猫を追い払いましょう。
特性を考慮した代表的な猫よけ対策
猫よけ対策グッズで有名なものといえば、水を入れたペットボトルです。町中を歩いていると、昔ながらの一軒家によく置いてありますよね。ペットボトルの設置は猫の「視覚」へアプローチする対策です。
また、猫が集まってくる庭にハーブを栽培するという方法も耳にします。ハーブ栽培は「嗅覚」に対するアプローチですね。
野良猫対策で効果が最も高いと考えられる方法は「聴覚」に対するアプローチです。では、具体的に聴覚を狙った対策が有効な理由と、嗅覚や視覚へのアプローチが最適ではない理由について確認していきましょう。
嗅覚へのアプローチは手間がかかる
犬の嗅覚は人間の100万倍以上あるとされており、その鼻のよさは一般的に知られています。犬のすごさに隠れてあまり目立つことがありませんが、猫の嗅覚も優れています。人間の1万倍以上はあるとされています。
猫はレモンやオレンジなどの柑橘系のにおいが嫌いです。ハッカやとうがらしなどの刺激が強いにおいも苦手としています。野良猫がやってくる庭にハーブを栽培することで、猫よけの効果を発揮する場合があります。ですが、オレンジやレモンを栽培することは手間がかかります。
栽培する手間を省くために、オレンジの皮を庭に捨てておくことなども考えられますが、カラスが集まってくるなどの二次的な被害につながる可能性があります。継続的に対策をつづけるという視点で考えると、手間がかかり嗅覚に対するアプローチはあまり適切とは言えません。
視覚へアプローチしても慣れてしまう
猫よけグッズとして定番の水入りペットボトルですが、光の反射を利用して野良猫を驚かせようとした対策です。
暗闇で猫の目が光っているところを見かけたことはありますか?猫の視覚は光を集めることをとても得意としています。眼球の網膜には光を感じるための桿体細胞(かんたいさいぼう)と呼ばれる細胞があります。猫の桿体細胞の数は人間の3倍以上とされており、人間がまっくらに感じるような暗闇でも、わずかな光さえあれば視界があります。暗闇でもエサを捕獲できるのは暗闇に強いからということです。
猫の目は光や動きを敏感に察知するため、ペットボトルに反射した光も最初は驚くとされています。一時的には野良猫を追い払えたと感じるでしょう。ですが、野良猫は光にすぐ慣れてしまい、ペットボトルの光が反射しても驚かなくなっていきます。町中のペットボトルが置いてある家の庭であっても、野良猫が入り込んでいる場面を目撃した人も多いでしょう。継続的な効果がある対策とは言えません。
聴覚へのアプローチは強烈な効果が期待できる
嗅覚も視覚も野良猫を追い払うためには役立たないので、聴覚に頼るしかありません。猫の聴覚はとても幅広い音域の音を聞き分けることができます。
犬をトレーニングする際に使用されるグッズに「犬笛」がありますが、人間には聞こえない音を犬は聞き分けることができます。犬の聴覚は40ヘルツから6万5千ヘルツまで聞こえるとされており、人間の20ヘルツから6万ヘルツよりもはるかに広いです。聞き分けられる周波数が広いからこそ人間には聞こえないような高音でも犬は聞き分けられるということですね。
しかし、猫に関してはさらに聞こえる音の範囲は広く、25ヘルツから7万5千ヘルツまで聞こえるとされています。犬が聞こえないほどの高音でも猫には聞き分けることができます。猫の聴覚は優れているということですね。
さらに、学術誌「ジャーナル・オブ・フィーライン・メディシン・アンド・サージェリー」が2015年4月に発表した内容では、日常のちょっとした音で発作を起こすことが報告されています。
たとえば、家の鍵がぶつかり「チャリッチャリッ」と鳴る音、アルミホイルが「クシャクシャ」と鳴る音で発作を起こす例もあります。人間からすると堪えきれる音ですが、猫からすると人間よりも複数種類の音が聞こえているのでしょう。
そこで、猫の聴覚を利用して猫よけをすると効果があると考えられます。猫だけが嫌がる周波数を設定して、庭に置いておくだけで野良猫を追い払うことができるので、超音波を出す猫よけグッズの効果は期待できます。
音による対策で猫は逃げていく
犬や猫は人間よりも優れた聴覚や嗅覚、視覚をもっています。猫の五感のなかでも聴覚は飛び抜けて優れており、幅広い音域の音を聞き分けることが特長です。
猫にしか聞こえない音を発する「超音波グッズ」を利用すれば、庭によってくる野良猫を追い払うことが期待できます。実際、猫は音に驚くことが多く、高齢の猫になると日常的な音で発作を起こすことさえあります。
置くだけで効果がある「超音波グッズ」を利用して野良猫を庭から追い出しましょう。